Azure Sky

日常の出来事、想いを記します

シェルティ ジュリアナの形代(かたしろ)

 アナの埋葬時、父が供えた水は、
表面が盛り上がり、茶碗の底まで凍りついていた。
 
 それ以前に、
大雪で全て埋もれていて、茶碗どころではなかったが。

 昨夜(2/6)その水が融けていた。
そして今夜も水だった。
ああ、寒いなりに、春に近づきつつあるんだ…
 ほんの数日前には、庭で凍死できそうな冬山(?)だったのに。

 夕方、アナのトイレに行く習慣が、
今は墓参り…というか、墓の前で延々と独り言…
「おいでよ、おいでよ、出ておいで…」

 懐中電灯の灯りも加え、これが住宅地なら、
心霊スポット噂が一人歩きしかねない。

いや、マジで、過去の子たちの埋葬後は、
こんなこと一度もしなかったんだが…
 影膳は、先代、その先代も一月くらいは続けた。
正式度なんて知るか! 私がやりたいようにする。


 墓の前、今すぐ掘り出したい度90パーセント。
実行してみたところで、出てくるのは唯のモノ。
 
 だから私は儀礼だけのことがイヤなんだ!
墓なんて、葬儀なんて、遺影なんて!
こんなんより、生きている間の一分が欲しい。

あの、独特の匂いのする足の裏が、
ぺたりと吸い付くようなポテポテ腹の感触が恋しい。
かくいう私だって、他所の犬の足の裏なんて頼まれても嗅ぎたくもないが。


 ただ、気づいたこともある。
「なぜ、私はこの町にいるんだろう?」
ああ、先代が居たから、ここへ転がりこむしかなかったんだ。
 そうか… もう、ここに戻ってくる必要はないんだ。…と。


 自室のアナ寝床には、
以前、シェル仲間に作って頂いたフェルトアナが座っている。
今のところ、これが形代となっている。
毛の瓶詰めよりは、気持ちが入りやすい。
(だから私は人形類が苦手なんだが)
 
夜、いつもの時間帯に水を供え、
のち、それを飲む。
 かなり崩壊してきていると思う。

 11feb07001.jpg

このアナは、デフォルメされているけれど、
ポメのような高い額とか、子犬のような表情とかはよく出ている。
DSCN0773k.jpg

お礼に、相手の人のシェル絵を描いて送ったから記憶があった。
長野に住む、ブルーマールのティファニーという名の子だったと思う。


シェルティフィギュアで検索してたら、
見え覚えのある子が乗っていた。
「ブルーマールのティファニー」
あのオッドアイ、片目のパンダ柄。

 これはもしや、アナを作ってくれた人のワンコじゃないか?
気合入れて検索してみたが、これ以外は出てこなかった。
今一度、お礼を言いたいが、時がたち過ぎて、
住所氏名はおろか、保存していた画像もなくなった。

アナと近い世代のシェルだったけど、まだ元気でいるんだろうか。
とりあえず、もうアナはこの世に居ない、ありがとうと伝えたい。

 で、今日(2/12)アナの画像を漁っていたら、
ティファ嬢の画が出てきた。
もし、ここを見たら「ありがとう」って伝えたかった。
31035.jpg

31019.jpg



DSCN0763k.jpg


 

 そうして過ごす中も、私の時はあの日で止まってしまっていて、
時々、接触不良の機器が作動するかの如く、
現実と接触した感触がくる。

病院行き時に削れた指も、未だ、生傷のまま。
「自己治癒」というものを意図的に放棄してしまったかの如く。

 たった今怪我したばかりのように痛いのに、
どうしてこんなに時が過ぎてしまっているのか。
わけ判らん。

 極力傷を見ないようにし、
パバッと洗って、パバッと絆創膏で隠す。
我ながら、根本的な解決にはなっていない。
 最初の数日は、普通に雑巾が絞れていたのに。

 
 絆創膏の上にパットの重ね貼りしたところを、
セキセイたちがクチバシでこそこそするだけで、
インコをふっ飛ばしたくなるくらいには痛い。
 
 右手は痺れがとれなくなってきているから痛みを感じなかったのか…
これが脳梗塞とかだったらイヤん過ぎる。
とりあえず、指壊死とかカンベンしてよ。



昨夜だったか、洗面所で鏡を見てギョッとした。
頬がこけるってこういうことか…と。
眼の周りなんて、荒れてガビガビだ。うへ~…
リアル貞子が居るわ。

 
 あれ以来、寝るか、泣くか、呆けるか…
という日々を過ごしている。
 寝るというより「意識が無くなる」というのが近い。
おかげで夢も見ない。
ありがたいんだか、ありがたくないんだか…
 
 起きなくちゃ…と、動こうとしても、
体がいうことを聞かない。
脳がうまく指令を出せていないらしい。


 元々ギャーギャーと泣きわめくたちじゃなし、
ただ涙がダラダラ流れる。
極力顔を合わさないようにしていることもあり、
ウチの親は、私が未だ泣き続けてることは知らない。

 
 しかし、あれだよね…
12年間も家族で接していたのに、随分温度差を感じる。
私は、あれ以来、テレビなんて見る気もしない。
 喋りたくもないし、家に人にこられるのもイヤだ。
田舎の爺婆たちは、長っ尻で、大きな声で喋りまくる。

 階下では相変わらず、
しょうもないトーク番組や喉自慢番組が大音量で流れている。
私は一人で静かなところに居たい。例えばダムの水底のような。

 アナは母にもそこそこ懐いていて、
私が自室へ上がるまでは母の布団で寝ていたのに、
そこが、飼い主と、その家族との差なんだろうか。

 
 デジ画を注文しようとして、
フォルダ開けて、だーっと泣けてきて、
結局、何も出来ずにPCを閉じる。
 
もしくは、壁紙に設定したアナの写真を
ぼーっと見ているだけ。

 とりあえず、食事はしている。
アナの形代を作るまでは体を持たせなきゃならないから。
(挫折予測高し)

うどんか、おかゆか、雑炊、たまに菓子パン、
嫌いだけどたんぱく質補給で豆乳、野菜補給で野菜ジュース。
 一昨日まで、気づかずに十日近く前に期限の切れた牛乳を飲んでいた。

脳へ直送したいときは、手っ取り早くチョコレート。
チョコレートなんて嫌いなんだが。
 それでも何か足らないようで、思考がまとまらない。


 食事をすることに酷く罪悪感があり、
毎日、造り始めたときから泣き続ける。
 アナは食べられなかった。飲めなかった。
干物のようになって死んだ。


 決壊寸前のダム状態。
寝たきりで筋力が落ちてきているので、
 少しうろつきたいが、田舎の人間はスルー能力というものを知らない。
通り過ぎたのに、わざわざ引き返えして聞くとか。
「声掛けんな」オーラをバシバシ出しているやつに。

 目線が合わないよう、顔が隠れるように髪を下ろす。
しかし、いくら田舎といえ、多少の民家はあり、外へ歩けば人目に付かないのは難しい。
敷地周辺は、どこを見てもアナが居た記憶が焼きついている。
 視界の端を何度も探してしまう。
傍に居ないことが、こんなに違和感があるのか。
過去に撮った日常の光景のあちこちに写りこんでいたのに。

 極力人と会わないよう、髪を上着の中に入れ、
顔をショールで隠すようにして線路際を歩く。
 途中で列車と会うも運、頭の緩んだ人が轢かれたで終わり。
道は人と会うからイヤ。
 バレバレどころか、怪しすぎる。


 なんとなく、そのま神社へ行った。
こんな時期なら人も居ないし。
 幼いころ、よく遊んだそこは、
真ん中を線路が横切り、荒ぶる神が祭られている。
 
 年始も何も一切近寄らないが、
困ったときのなんとやら…
「完全に××してください もう要らないから」

…お賽銭もっていかなった。
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