そんなときにブログなんて書いてるのかよ?
消えゆく命をぼーっと見ているほうがキツイ。
リアルタイムで気持ちを残していくのもありだろう。
今日の午後、また病院へ行った。
前回の診察では、
今すぐどうこうの状態でないということだったが、
見るからに衰弱が激しい。
私の見立てでは「今月持つか?」というところ。
嘔吐が続き、薬も吐いてしまうので、
昨日から投薬もやめていた。
昨夜、腹部を見ると、血の気の引いた皮膚が黄色味を帯び、
まぶたの端も黄色くなっていた。
ああ、黄疸が出たか…
一昨日頃から尿量もがくんと減った。
昨日の夜、よたよた出てきたので外へ出すと激しい下痢だった。
もう何日も食べていないので、
腸の内壁に残ったものが出ているだけだろう。
今日は水も飲まない。
胃液も出ないらしく、ただ粘液を吐く。
どこもかしこも水分がとび、干からびている。
無理に水を飲ませても吐くだけなので、
点滴で入れるしか無いな。
昨夜も雪、
私も本調子にはほど遠い。
病院いくなら明日頃と思っていたが…
この分では、今夜も怪しい。
電話で相談すると、
「一日でもと延命するか、点滴で今を楽にするか」
いきなりその選択かよ…
私なら延命はキツイので後者を選んだ。
入院はハナから断った。
(私も病院に泊めてくれるならそうするが。)
動物は、たいてい、未明から朝にかけて死ぬからだ。
危篤で呼ばれても、距離的に間に合わない。
だったら自宅で看取ったほうがいい。
それにしても、あっというまに衰弱してしまった。
おいしそうに物を食べたのはいつだったか。
何を与えても食べないから、イラついて、何度も怒ってしまった。
そのストレスからたぺなくなったのなら良かった(?)のだが。
先代は良かったなあ、その点は…
もう、何に迷う時間も無さそうだ。
午後4時からの診察に向けて出た。
隣町に近づくと雪が目立つ。
帰りがヤバそうだな…
この坂を登れば…というところで、
シャーベット状の雪が見えた。
ヤバイじゃんか、これは…停まったら動けんわ。
(一応、病院に確認してから出た)
そのとき、
対向車がセンターをはみ出してきた。
仕方なしに停まったら、想像どうりの結果。
虚しく空転する後輪…
後退しようとしたら、
ズルズル滑って左側の雪の土手に載ってしまった。
げげ…最低じゃん。
とりあえず、
トランクに載せてた園芸用シャベルでタイヤ前後の雪をどかしてみる。
↓
少し動いて、また土手に突っ込む
タイヤ下にシーツを敷いてみるも失敗
(動き始めると後続車や対向車が来て停まらざるを得ない)
↓
以下、リピート、4~50分が経過。
道路に車を置いていくわけにも行かないし、
あほ過ぎるから、なんとしても脱出しないと。
残雪帯はせいぜい15Mくらいなのに。
その間、通りすがりの人が二人声を掛けてくれた。
一人目は「ノーマルかよ、アホー」という感で通り過ぎた。
言われんでも解ってるわさ、
こんな日にここへ来るなんて想定外なんだよ。
(通勤しないので、雪の日は乗らない主義)
二人目が停まって押してくれようとしたが、
車は人力では簡単に動くものではない。まして坂だ。
その昔、友達と、試しに、平地で自分の車を押してみたことがあるが、
全く動かなかった。
この制御不能状態で、万一、下敷きにでもしたらもっとマズイことになる。
普通の車に引っ張ってもらうには道が狭い。
誘導だけ頼んで、ひたすら雪掻きを続行。
ああ、小型のスコップを載せてくれば…
冷静沈着な私がこの様かい。
作業中、集めた雪が点々と紅いので…?と思ったら、
自分の血だった。
夢中で雪掻きするうちに、指が削れていたらしい。
車のドアとかにも血が付いてて微妙に事件ぽくなっていた。
努力の甲斐あって、とりあえず脱出可なくらいになり、
雪のないところまで誘導して貰い、
方向転換し、下の観光施設の駐車場まで降りた。
携帯で病院に連絡し事情を話すと、
あほさに同情されたのか、
先生命を受けたスタッフのお姉さんに迎えに来て貰えた。
(ブログのネタにされそうだ)
タクシー? こんなとこに居るもんか。
「来るって言ってたのに、こないから、今日はやめたんだろう」
と話していたところだったとか。
ここまできたら、なりふり構っていられない。
お礼はことが片付いてからだ。
この時点で、道路は凍てついてツルツル、
人が歩くのすら困難になっていた。
健康な犬なら歩いていくというのもアリだが。
時間も遅いし、多分、先生の予想よりも悪くなっていたのだろう。
点滴の持ち帰りを頼むと、即OKが出た。
(病院で針をセット済み)
体重はさらに減り、9.3K。
点滴二袋をお持ち帰り、なんとか無事に家に着いた。
ただいま自室で点滴中。
抑制剤入りのはずだが、嘔吐は止まらない。
体中の水分が出てしまう。
不謹慎だろうがなんだろうが、写真を撮った。
生きているアナを見られるのも短いから。
人間の記憶なんてあいまいなもので、
居なくなった途端、その重さすら確信できない。
ついでに顔のスケッチもした。
アナが元気に在命中に、
いつか描こう、いつか作ろうと思ってきたのに。
「いつか」なんて言ってる限り、機会はこないのだ。
点滴、必要ならヤマトで送るといわれたが、
多分、要らない。
せめて、最後は楽だといいんだが…
そう願いつつ、この現実が信じられない自分がいる。
二番目に声掛けてくれた人を拝み押して乗せて行ってもらえばよかった。
待っててくれたくらいだから、頼めばしてくれたろうに。
帰りはどうにでもなるんだから。
「なんとかして車を掘り出して行かなきゃ」
…しか考えられなかった。
全然冷静じゃないじゃないか。
そんなことを思ったのは、ただいま、丑三つ時…
点滴の管さばきとか見るため着いている。
一時間くらい吐かなかったから少しは落ち着いたのかと思ったが、また…
零時は通過、次は夜明けか…


春待ちに応えたスノードロップが一輪咲いた

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