家に燕の雛が居た。

隣地区内に落ちていたモノを父が拾ってきたらしい。
「可愛そうだから…」
って、虫食う鳥の餌はタイヘンなんだが、
世話をする人間は可愛そうではないらしい。
その付近は燕が巣を掛けている家が多く、雛もそこそこ育っていたそうだが、
「烏の襲撃を受けたようで、この一匹だけ落ちていた」…そうだ。
この付近では、そうして烏に襲われることが多い。

便宜上、名前は「甚平」にしておく。
↓参考画像 科学忍者隊ガッチャマンより 隊員4号 「燕の甚平」
野鳥を飼ううえでの困難さは、主に食性による。
インコのように穀物系の食性の鳥は、餌付けさえ済めば、割と簡単に飼える。
問題は、生き餌主食の鳥である。
人間は偉そうにしているが、動物としては極めてドン臭い生き物なので、
小虫を生きたまま捕らえるたりすることは苦手なのだ。
動物性の原料で作られた「ねり餌」というものはある。
粉を水に溶き、ポロポロとネトネトの間くらいの柔らかさにして与えるのだが、
これはこれで、中々面倒臭いものなのだ。
特に、夏場など腐敗しやすい時期は、
日に何度も餌を作って与える必要がある。
作った餌自体もほんのり臭いし、食べた鳥の糞も匂う。
その点、乾燥穀類を食べる鳥は、
餌が減ったら継ぎ足して行けばいい。
燕は虫などを食べる鳥である。
ほぼ羽も生えているし、一週間もすれば飛んでいけるくらいになるだろう。
割高になるが、ミルワームでも買って食わせるしかない。
しかし、このくらい育っていると、ある程度の知恵も付いていて、
人が餌を与えようとしても、口を開けないことが多い。
いっそ、裸に産毛が生えた程度の雛の方が育てやすい。
とりあえず、近所からミルワームを分けて貰い、
裏の草場で生後間もないバッタを捕ってきた。(完食)
明日生きていたら、その後のことはその時考えればいい。
最初の餌付けが出来るかが生死の境目だ。
餌を口元に持っていっても、雛は当然のように口をきつく閉じている。
やっぱりね…
ピンセットで無理やりこじ開け、虫を押し込と、
飲み込みはするが、次回もきつく口を閉じたまま…
そりゃあ、もう、「絶対開けるもんか!」みたいなオーラ満々なのだ。
一匹与えるごとに口をこじ開けて押し込むワケだ。
口に馬(注)でも噛ませたいわ。
(注 車をジャッキアップした際、下回りに噛ませて支える道具を馬と呼ぶ)
雀のように咬まないのが幸いだ。
言うまでもなく、小さい生き物は力加減が難しい。
雛の口をこじ開ける際、困難さに、自分の口が歪んでくるくらいだ。
早朝からピーピー言われるのもイヤなので、
夜遅く餌を与えて寝たが、やっぱり起こされた。
ああ~ 瑠璃だけでも「出せ出せコール」が煩いのに、メンドクサ~
…がっ、意外にも、雛は私の指を見ると、カパッと口を開けた。
どうやら、私を「自動給餌機」と認識したらしい。

自分で口を開けるなら、ホイホイ放り込むだけだ。
カパカパと開けるのはいい。
が、コイツ、二時間おきに、凄い量を食うんだが…
早くオトナになって飛んでいってくれ~
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