深夜、PC作業中、視界の端に、
黒いヒモが落下するのが視えた。…気がした。そして、パタッという音。
本能が戦慄した。まさか…まさか、アレだろうか。まだそんなに蒸し暑くないのに。
暫らくのち、小さなカサコソという特有の周期の音が続く。
沢山の足が引っ掻くような…
スーパーの袋が動いただけさ。
と思い込もうにも、本能がそうじゃないと告げる。
音は続く。まるで、全身が耳になったように、その小さな音を拾う。
そう、私は知っている。現実を受け入れたくないだけだ。
音源をガン見するが、ブツは見えない。
自慢じゃないが、部屋は、造りかけの材料とか、画用紙とか、物であふれている。
素手でものを動かして、そこにヤツが居たらと思うと、下手に身動きも取れない。
鼓動が上がる。肌寒いのに、背中にイヤな汗が湧いてきた。
この恐怖を終わらせたい。行動あるのみだ。
殺虫剤を音源辺りに振りまく。汚れるだのなんだのと言っていられる状況じゃない。
気配は消えない。そのくらいで死ぬようなヤツじゃないのだ。
暫らくのち、敵に動きがあった。
テレビ下の台の端に、黒いヒモが姿を見せた。10センチ物だ。
そう、アイツだ。足が百もあるという名の… しかも毒性の強い黒いタイプだ。
逃すわけにはいかない! ここで逃げられたら、寝る場所がなくなってしまう。
手元の鉄製L型定規片手に、左手にソレを受けるための紙袋を持ち、
ヤツに向かう。
そしてとり抑えたが、位置が悪く、うまく袋に落とせない。
作戦Bに変更。
定規でぶった切ることを試みる。
が、大き目なヤツの体は、ゴムのような質感で、ぐりぐりしても切れる気配もない。
マズイ… ハサミにすればよかった。
ここで放せば終わりだ。無理やりゴリゴリしてなんとか紙袋に落とした。
そして、袋の口を少し開け、殺虫剤を噴射するも、
中々音が途絶えない。
弱ってはいるようだが、多分、うまく当たっていないのだ。
注意深くビニ袋に移し、ヤツをめがけて噴射する。
ほどなく、ヤツは痙攣を始めたが、動かなくなるまではかなり掛かった。
↓証拠画 自粛にてサムネイル、クリックで拡大 死んだので少し縮んでいる。
(未明に何やってんだか…)

その後、ネットで忌避法を検索し続け、夜が白々と明けてくる。
脳内で、落下の残像がリピートし、寝る気にならないのだ。
とりあえず、部屋の四方に樟脳を撒いて寝た。
アレを忌避するというが、沢山使うと、人間も臭くて部屋に入れないという副作用がある。
そして明けた朝、なんやらしながら、鉢をどけて掃除しようとしたら、
そこに、また、ヤツが居た。
昨夜のと同じくらいのサイズだ。
戸外なので、逃がしたら、というプレッシャーが無い。
火バサミをつかんで、ソレを、力任せにグリグリと切った。
ソレは、胴体が半分千切れかけながら走っていき、鉄板の下に入ったが、
さすがに、あの深手で生き延びるのも思えないので放置。
後に、確認したら動かなくなっていた。
ちなみに、これで、今季、五匹目くらいだ。(昨夜を除き、戸外での捕獲)
先が思いやられる。
足の無いヤツ編
時期もあり、足が無いといえば、日本の幽霊を連想する人が多いだろう。
アレは、元は、画を書く人が、足描くのメンドクせ~! と、省略したのが始まりとかなんとか。
対して、西洋の幽霊には足があるのが普通?の認識らしい。
私がいうところの「足が無いヤツ」は、もっと現実的なヤツのことだ。
半月くらいも前だろうか…
宵、生ごみを畑に捨てに行こうと出ると、庭が一面、きらきらと輝いていた。
…? ナニ? 雨でもあるまいに。
キラキラの正体はすぐに判った。
判ったとたん、寒気がした。
そう、そのキラキラは、ナメクジが這った痕だった。
よく見れば、足元、そこら中に、大小さまざまなサイズのナメクジが這っていた。
知らず、踏みつぶしたものも何匹か… うげっ!!
なんで? アレって、雨が降ったら出るもんじゃないの?
何年か前にも、雨の夜に帰宅して、鉢に群がる大量の大きなナメクジを見て仰天、
捕獲し、翌日に駆除剤を買ってきたことがある。
なのに、この、乾燥警報すら出ているカラカラの晴天続きに??
しかし、現実に、庭中にソレが居るのだ。
特に、タケノコ用の糠を捨てた鉢に集中している。
どうやら、やつらにとって良い餌らしい。次々と集まってくる。
とりあえず、見つけたものは全てピンセットでつまんで塩水にブチこんでいった。
もちろん、駆除剤も撒いた。
翌日、容器の中は、イカの塩辛を詰めたようになっていた。
とんでもない数だ。
以後、夕食の片付けやら、花の水やりが終わってから、
ナメクジ取りが続いている。
懐中電灯を持ち、夜な夜なうろつく変な人になっている。
それにしても、連日獲ってるのに、どうして減らないのだろう…
次から次へと湧いてくる。
庭をぐるりと周りつくし、スタート地点に戻ると、また居るのだ。
見落としたようなサイズではないものが。
しかも、意外に早く移動する。
誘引剤を撒いても、アレが寄ってるというわけでもない。
なぜなら、やつらの習性として、遠くの餌より、
身近な餌を採るからだ。※調べた
梅雨前になんとかしないと、さらに増えることになるらしいので、獲るしかない。
庭は、色々植えてあるので、腐りかけた葉とか、食べ物兼隠れ場所でいっぱいだ。
芝桜の枯れた花びらとか好んで食べているし、
密集した株が、格好の住みかになっている。
落ち葉をひっくり返すと、二ミリ程度のソレがくっついている。
軟体動物なので、大きいヤツでも、狭い隙間にでも入れるようだ。
生きた花の枯れかけた葉とかも食べるので、食料には事欠かない。
腐ったものばかり食べているならキモチ悪いだけだが、
連中、芽吹いたばかりの小さな葉を食べてしまうのだ。
(二次的なモノとして、寄生虫の媒介という厄介な面もある)
朝顔の葉が一晩でなくなるので、はじめ、ヨトウでもいるのかと思ったら、
ナメクジの犯行現場を見た。
ここでさらに真剣に捕獲に励むことになる。
そうして、連日の妙な作業で、元から悪い腰がさらに悪化した。
昨日、今日と雨である。
またやつらが増えているのだろうか…
どっちも、げんなり
口直しに、ゲラニウム ジョンソンズブルー

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